木綿のハンケチ

主に漫画のレビュー。時々小説、映画についての感想を書いてます。

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「口からクソ垂れる先と後にサー!とつけろ!!」グラン・トリノ

【内容】
フォードの自動車工を50年勤めあげたポーランド系米国人、コワルスキーは、愛車グラン・トリノのみを誇りに、日本車が台頭し東洋人の町となったデトロイトで隠居暮らしを続けていた。
頑固さゆえに息子たちにも嫌われ、限られた友人と悪態をつき合うだけの彼は、亡妻の頼った神父をも近づけようとしない。
コワルスキーを意固地にしたのは朝鮮戦争での己の罪の記憶であり、今ではさらに病が彼の体を蝕んでいた。

その彼の家に、ギャングにそそのかされた隣家のモン族の少年タオが愛車を狙って忍び込むが、コワルスキーの構えた銃の前に逃げ去る。
その後なりゆきで、タオやその姉スーを不良達から救ったコワルスキーは、その礼にホームパーティーに招いて歓待してくれた彼ら家族の温かさに感じ入り、タオに一人前の男として仕事を世話してやる。
だが、これを快く思わないモン族のギャングが、タオにさらなる嫌がらせを加えた。
顛末を聞いて激昂したコワルスキーはギャングに報復するが、一矢報いるべくギャングはタオの家に銃弾を乱射し、スーを陵辱する。

復讐の念に燃えるタオと、それを諌めるコワルスキー。報復の連鎖に終止符を打つべく、コワルスキーはある策を胸に、ひとりでギャング達の住みかに向かう...。

【感想】
現役を引退したクロコダイルダンディーは、昔の面影もなくただの頑固じじいに成り下がってしまった。
それも生半可な頑固さではない。

例えば妻の葬儀でお世話になった神父様が親しげに呼び捨てにすると「さんを付けろよデコスケ野郎」。
あなたの妻に生前「私が死んだら旦那をよろしく」とお願いされていたんですよと説明したところでなしのつぶて。
「ババア相手に神を語る頭でっかちの童貞野郎」と罵る始末。

また、助けてくれたお礼に花や料理をダンディの玄関に置いてゆく中国人に対して
「そんなゴミはもって帰ってくれ」。

日本で言うところのツンデレのツン期ともいえるが、アメリカにはツンデレの概念が日本ほど定着していないため、デレ期もなかなかにハード。

モン族の少年タオを一人前にするべくあれこれと自分の行き着けへ引きずりまわしたり、古典的アメリカ映画的悪態(例:「昨日、うちのワイフがこう言ったのさ」から始まるやり取り)を伝承する。
しかしこれは...いるのか?生きていくのに必要なのか?
やはりアメリカって国で生きていくためには小粋にワイフの小話をはさまにゃならんのか?
そんな無茶振りをなんとかこなすタオが、現代の団塊世代と若者の思考のギャップに感じられてとてもハラハラした。

しかし日本産の車に乗る肉親を「能無し」呼ばわり。タオ族を「汚らしい」と侮蔑。黒人をニグロと罵る。
誰彼構わず罵詈雑言を浴びせるダンディー。
映画を見ているだけだと差別的に見えるが、自分へすらも一貫して厳しい様を見せるダンディーはなんだか憎めない。

物語の結末としてダンディーは復讐の連鎖を断つために英雄的な決断をする。
妻に先立たれる、自らも病に侵されたダンディーは死期を悟り、自分の命をどう使うか?を決めたのだろう。
それを見たタオの胸に輝くじじいの大切な勲章と、贈られたグラントリノ。
その魂は世代を超えて受け継がれたのであろう。

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